はじめに

六ヶ所村にある核燃サイクル施設は、当初は3点セットと呼ばれていました。

ウラン濃縮工場、低レベル廃棄物埋設センター、そして再処理工場の3つ。

それが、いつの間にか、日本各地の原発で使い終わった使用済み核燃料を送り出していたフランスとイギリスからも高い濃度の放射線を発する高レベル核廃棄物が運び込まれることになってしまいました。これは30年〜50年の間一時貯蔵するだけだと言われていますが…。

そして、これから国内の原発が廃炉になった後に解体されて出て来る放射性廃棄物も送り込もうと準備が進められています。

その上、再処理工場で取り出したプルトニウムをウランと混ぜて原発で使う燃料を作るMOX燃料工場を建てようと計画されています。

「資源の乏しい我が国において将来にわたって安定的なエネルギーを確保するために」原子力発電が必要だとされ、その燃料のウランを有効に使うために再処理工場やMOX工場が必要だ(「核燃サイクル政策」と呼ばれています)と宣伝されていますが、その本質・実体は、巨額の利権を巡る政・官・財・地方自治体・地方産業界の綱引きと、どこにも持って行き場のない原発から出る「核のゴミ」をどうするかという究極の「ゴミ問題」ではないでしょうか。

(「究極の」というのは、放射能はその種類によっては毒性が消えるまでに実に何十万年という途方もない年月がかかるからです。)

さらに、再処理工場が本格稼働すると、地球規模での放射能汚染の危険性をますます高めます。

2004年の秋以降、青森県は六ヶ所村再処理工場のウラン試験、東通村原子力発電所の試験運転、むつ市の中間貯蔵(原発から出た使用済み核燃料の一時保管施設)立地検討、六ヶ所村MOX燃料加工工場建設検討と一気に原子力依存県へと「核暴走」のアクセルを踏み始めました。

ひとたび重大事故が起これば、その被害を被るのは、現在生きている人間のみならず、何世代にもわたる地球上のすべての生命です。

気流や海流、食物連鎖を通して、地球上のすべての生命がつながっているからです。

2004年12月21日、多くの不安や反対の声を振り切って六ヶ所村核燃サイクル施設の中核、再処理工場のウラン試験が始まりました。
ところが、2005年6月9日、またしても使用済み核燃料貯蔵プールで水漏れが発覚しました。

イラクで、パレスチナで、アフリカで、南米で、沖縄で、世界各地で、暴走する権力の引き起こす暴力が地球を覆っています。
「原子力の平和利用」と謳われた原子力エネルギー政策も、良く見ると、多くの分野で軍事や核兵器、大国の権力と密接につながっています。

そしてここ、六ヶ所村でもエネルギー確保のためというにはあまりにもリスクの大きな再処理工場が暴走しようとしています。

イランや北朝鮮の核保有を憂慮する世界の声ともリンクして、「六ヶ所核燃問題」は、もはや六ヶ所村民や青森県民を超えた日本が抱える地球規模での「ROKKASHO問題」となっています。

放射能汚染の不安と引き替えにあくまでも経済発展を追い求めるか、核のない平和で安心して暮らせる未来のために過剰な消費をセーブするか…。

地球の未来は、今、この時代に生きる私たち一人ひとりの意思と選択にかかっているのではないでしょうか。

まずは、「ROKKASHO問題」に気がついた一人ひとりが、それぞれの場所で一つひとつの事実を注意深く見、聞き、伝えるところから始まるのではないでしょうか。


《参考》

web東奥(むつ小川原・核燃サイクル)
 
過去の新聞報道記事


核燃サイクル阻止一万人訴訟原告団

青森県内の「反核燃」市民運動の「老舗」


PEACE LAND

アーチストの感性でとらえ行動する「反核燃」


ヒバクシャ 世界の終わりに

〈THINK GLOBAL ACT LOCAL─ 地球規模で考え地域で行動する〉 とかいう言葉がありましたが、イラクと六ヶ所村、アメリカと六ヶ所村、世界と六ヶ所村はつながっているのでした。