2005年7月26日 青森県知事あてに要望書を提出しました。

    

2005年7月26日
 
               六ヶ所再処理施設での再度のプール漏えいを踏まえた青森県知事への要望書
 
青森県知事 三村申吾 様
 
 六ヶ所再処理施設の使用済み核燃料貯蔵プールで、もう起こらないとされたはずの漏えいがまたも起こったことに、私たちは強い衝撃と憤りを覚えます。特に今回は驚くべきことに、規制当局である原子力安全・保安院(以下、保安院)が率先して、プールの保有水量さえ確保されれば、放射能を含む水が漏れ続けてもよいとの見解を示しました。このことに、私たちは強い危惧を抱くものです。これでは、資源エネルギー庁とは別の安全を守る立場で原子力を規制するはずの保安院が、自らの役割を放棄したことになるのではないでしょうか。
貴職はこれまで、青森県民の安全と安心を守る立場に立つことを表明されてきました。それならば、今回の保安院の見解とは、はっきりと一線を画すべきではないでしょうか。保安院の見解に対しては強く抗議し、その撤回を求めるべきではないでしょうか。さらには、保安院が本来の安全を守る立場に立つよう、他の立地県と連携して申し入れ等を行うべきではないでしょうか。
このような観点から、貴職に以下の点を要望します(なお、今回の漏えい事故に関する私たちの認識については、その後にまとめて記述します)。
 
要 望 事 項
 
1.放射能を含むプール水の漏えいを容認するという保安院と日本原燃の見解に強く抗議し、それを撤回するよう申し入れてください。
 
2.ウラン試験を直ちに中止するよう日本原燃に申し入れてください。
 
 
今回の漏えい事故に関する私たちの考え
 
(1)7月15日に開かれた第15回「六ヶ所再処理施設総点検に関する検討会」(以下、検討会)で、保安院の古西課長は、保安規定の改定申請はまだ受け取っていないものの、「漏えいがというよりはですね、繰り返しになりますが、保有水がちゃんと存在することが重要」との見解を何度も強調しました。日本原燃は7月12日付報告の中で、毎時10リットルまでの漏れなら監視をするだけでよいとの見解を示し、その根拠としてプール水の補給能力(毎時50立米)などと比較して十分小さいことを挙げています。保安院の見解は、この内容の保安規定を容認する考えをあらかじめ示したものです。さらには、漏えいでも毎時50立米未満であれば容認されるとの論理まで強調したものと理解できます。
 
(2)なぜこのような考えを強調したのでしょうか。プール建設時にコンクリート壁にステンレスプレートを内張りする際、大きく歪んだコンクリート壁に合わせるように、プレートを曲げたり、切り欠いたり、継ぎ足し部材を補充したりして、多数の「計画外溶接」をせざるを得なかった実態が今回改めて浮かび上がっています。この点は第15回検討会でも委員から改めて指摘されたことです。今回の漏えい事故は、日本原燃が「計画外溶接」等不正施工のすべてを把握できていないこと、今後も漏えいは避けられないことを如実に示しました。
 
(3)保安院は、補修に関する設工認申請からわずか8日目の7月20日に早くも申請を認可しました。すると日本原燃は、認可の下りたその日に早くも漏えい箇所の補修作業を開始しました。ところが、過去の水中撮影画像では「計画外溶接」を見抜けなかったため、問題のある画像を再調査する計画になっていて、その調査はまだ終了していません。すなわち、漏洩の原因についてまだ明らかになってはいないのに、漏洩箇所を先に補修してしまおうというのです。これは、原因究明よりもスケジュールを優先させる姿勢が前よりもエスカレートしていることを示しているのではないでしょうか。
 
(4)また、漏洩が起こっても、それが必ずしも検知されるとは限らないという問題もあります。なぜなら、今回は新たな溶接線に沿って漏えい検知溝を追加設置することになっていますが、前回補修時には設置されていなかった可能性があります。そればかりか、一般に「計画外溶接」の裏に検知溝が存在するという保証はありません。例えば今回漏えいのあった切り欠き部分の溶接の場合、漏洩箇所よりさらに先端の部分には検知溝がありません。毎時10リットルを超える漏えいの場合には、巡視点検を3回に増やすと言っても、漏えい検知ができないのなら、巡視は意味をもたないこともあり得るのです。
 
(5)しかしいまさらプールを作り変えることもできないし、今後も起こる漏れをいちいち補修するのでは使用済み燃料搬入の妨害になり、コストも高くつき、何よりも再処理の運転スケジュールに差し支えます。だから漏えいは認めるしかないというように保安院は態度を変え、それを容認する論理を導き出したに違いありません。
 
(6)古西課長は、「漏えいした水については低レベル放射性廃棄物としてしかるべき形で移送されておりまして、堰から出る形になっておりません」と検討会で強調しました。しかし、日本原燃の7月12日資料(添付-9)によれば、最後は海洋放出されるのは明らかです。その場合、原発の場合と違って濃度規制がはずされているので、高い濃度の放射能が放出される可能性さえ否定できません。下北海域から三陸海岸へと放射能汚染が広がることが心配されるのに、古西課長としては、そのような心配は一笑に付すべきことなのでしょうか。
 
(7)イギリスのソープ再処理施設では、プルトニウムや高レベル放射能を含む硝酸溶液が約83立米も漏えいしました。最新の高性能機器で構成された施設では漏えいなどあり得ないと信じる「新しいプラント」文化という「自己満足」のために、漏えいが長期にわたって見逃されていました。ところが、日本原燃の兒島社長は、この漏えい事故から学ぶという姿勢ではなく、六ヶ所再処理施設ではこのような漏えいはあり得ないと直ちに表明しました。これでは日本原燃にもすでに「新しいプラント」文化が蔓延していると言わざるを得ません。仮にソープのような漏えいが起こっても、古西課長流に言えば、溶液はセルという管理された堰の中に留まるので、容認されることになってしまいます。原発の場合なら、配管から放射能が流出していても、格納容器という堰にとどまるから容認されることになるのでしょう。
 
(8)今回の漏えい事故によって、事態はウラン試験に入るより前の段階に引き戻されたというべきです。今後も漏えいが起こるような実態にあることを日本原燃も保安院も認めているからです。「使用済燃料貯蔵プールは、再処理施設本体とは物理的に切り離されている」(保安院:資料15−2−3)とはいえ、管理の面では日本原燃という一つの実体が全体に責任をもっているのです。それゆえに、再処理施設のどの建屋・設備についても、安全性に信頼のないことが改めて明らかになったというべきです。放射能の漏えいを容認するような規制当局の姿勢では、危険な再処理を行うことなどとても認められるものではありません。
 
 以上
 
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核燃止めよう浪岡会 代表世話人:平野良一

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再処理工場について勉強する農業者の会 会長:哘 清悦

PEACE LAND  山内雅一
 
【再処理とめよう!全国ネットワーク・連絡団体】

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     TEL:093─452─0665 FAX:093─452─0611

2005年7月25日 日本原燃に申し入れをしました

    
 

原燃との交渉速報

原燃からは、西村氏、鈴木氏他、4名。
市民側は再処理とめよう全国ネットワーク、青森県内各団体から9名。
原燃PRセンター前の会議室で、11時〜12時20分頃までのやりとりとなりました。

初めに、菊川さんが挨拶をして、次に約25分、ガラス固化体解析問題について解答
を聞き、それから約1時間、今回の漏えい容認問題、10リットル問題についてやり
とりしました。

以下は、プール問題のポイントの部分です。特に最初に原燃から、今回の10リット
ルの意味について説明がありました。

・ 原燃が出した七月十二日の報告書について、1時間あたり10リットルの漏れを
管理上の目安値とすることについて、「目安値」とは、使用済み燃料搬入を続けるか
ストップするかどうかの目安ということ。しかし、報告書には、そのことははっきり
書いていないと自ら認めていました。
・ このことは県に事前に了解を得たものではないとも認めました。
・ また、漏えい水は海洋に放出したこと、その中には放射能が含まれていることも
認めました。いくら濃度が低いとはいえ、本格運転まえから、放射能のまじった水を海洋放
出するというわけです。
・ 結局、すべてが、使用済み燃料搬入を前提にしたものです。安全性より青森を核
のごみ捨て場とするという姿勢です。そして、こんな安全性を無視した姿勢で、ウラ
ン試験を継続しています。

全体として原燃は少し緊張したような様子でした。西村氏は、漏えいも前提と・・・
と露骨に言いたげでしたが、鈴木氏が、「漏えいはよくない」と彼をさえぎって話
していました。

以下、●は原燃、○は市民側です。

● 報告書の書き方が非常にあいまいというか、違う書き方になってまし、実際は、
漏えいを発見したら漏えい個所の特定作業に入っていくと。使用済み燃料の搬入を優
先させるという目安量が10リットルということを考えている。漏えいを発見したら
漏えい個所の特定作業に入っていく。
使用済み燃料の搬入を優先させる目安が10リットルと考えている。しかし、そうい
う文書は出していない。記者には質問に対して口頭で説明している。社会を混乱させ
ているので、時期をみて、文書を出すかどうかまだ決まっています。今の説明内容は
なんらかの形で・・・。
10リットル未満なら、燃料搬入の輸送と組み合わせて補修をやっていく。10リッ
トル以上なら使用済み燃料の搬入はストップするが、未満の場合は、使用済み燃料の
搬入計画と平行して勘案してやる。

○ 燃料プールはもうすぐ半分をこえる。そうすれば、水抜いて漏えい個所の確認・
補修はできなくなる。

● 水中での漏えい個所の確認技術は確立されている。ただ、その装置の手配ができ
ていない。手配にどれくらいかかるかはまだわからない。

● 10リットル未満の場合は、すぐに補修に入らない場合もある。輸送計画と平行
して。補修を放置すると受け取られるのはセツナイです。

○ これまではすぐに補修した。なぜそれを続けないのか。

● 穴があれば放置するのではない、直すタイミングはケースバイケースで。

○ 10年後に補修するのか。

● 水位を保つという安全面からは、少量の漏えいでは安全は保たれているので、い
ちいち止めてというよりも平行してやっていきたい。

○ なぜ今回からそういうことになるのか

● 前回の漏えいの時は品質保証ができていなかったため全体を見直す必要があった
ので、すぐに補修した。今回は品質保証体制もできたので、今回の漏えいも発見でき
た。流れができてきている。
○ 水中補修の技術は確立されているのか。
● 技術はできている。ただ、装置の発注はこれから。

○ 「疑義のあるグラインダー痕」とはどういう意味か

● 技術者がみて、これは計画外溶接と疑った個所

○ グラインダー痕には疑義のあるもとないもの二種類があるのか、その違いの判断
基準は何か。

● 技術者が見ておかしいなというのが「疑義のある」です。私もはっきりわかりま
せんが、グラインダー痕があれば疑義があると。3〜4人体制で見ている。技術者が
2〜3人、メーカの人がDVDで見ていて、おかしいとなった。マニュアルがあっ
て、これは大丈夫、これはおかしいと決めていく。

○ 今回は切り欠き加工で溶接線から3センチはなれていた。もっと離れていた場合
には、検知できるのか。

● コンクリートとステンレスの間には微妙な隙間がある。検知溝がない個所でも、
その隙間を伝って下に落ちるので、下のピットのようなところにおちて検知装置に
入っていくので、検知できることになる。★プール構造は詳しい資料があるので後に
送付します。検知溝のない個所ではどうかは正確に確認するようにします。いずれ検
知溝で確認できると思いますが、確認します。

○ プールの漏えいは前提となっているのか

● 検知溝もつけていますし、そういう意味では前提ですが、セルに受け皿もつけて
いる。しかし、それをもって水漏れは前提といわれれば悲しいものがあります。

○ 基本的に水漏れはまずいということでしょう。

● はい、確かにもれてはいけません。

● 漏れてはいけませんが、その後の処置はちゃんとやっている。廃液処理の系統で
蒸発させたりして、安全に出している。みなさんに混乱や不安を与えたことはいろい
ろ声も届いている。

○ スケジュール優先で突貫工事をやったつけが今でできているということではない
ですか。それなのにまだ使用済み燃料を受け入れるというのは地元として許せない。
ウラン試験ではやめてほしい。プールも作り直してほしい。

○ ある程度の漏れを認めるというのは今回はじめて。従前はそうではなかった。そ
ういうことについて、県との間ですり合わせを終えて、公表しているのか。

● 当社として独自に判断してやらせていただきました。

○ 漏えいを前提として今後対応するというのは、県からは了解済みなのか。

● 県の了解を得たということではない。当社の判断としてやった。県の方からもご
意見をいただいている。

○ 水中検査、水中補修ということになっているが、漏れの原因については水中検査
では不可能なのではないか。

● それもできると思っていますが・・・

○ 上記のことについては、安全協定の前提条件として県と話し合ってしかるべきで
はないか

● ご意見は承りました。

○ 漏えい水は「放射性物質を除去し、放射能濃度を確認した後、海洋に放出してい
る」とあるが、完全に放射能を除去したのか。

● 放出したものには放射能は含まれています。

○ 放出した漏えい水放射能濃度と、いつ放出したのかを示してほしい。

● 今回の漏えいでは、「切り欠き・肉盛溶接」が行われた可能性があるとなってい
るが、聞き取り調査は行わなかったのか。

○ 今回の件については聞き取りは行っていない。前回のプール漏えい・総点検で聞
き取りを行ったが、今回の個所は出てこなかったので今回聞き取りはやっていない。

以上。